僕は新聞とか読まないので取ってないのですが、勧誘の配達の兄ちゃんと会話をするのは結構好きです。
その兄ちゃんは僕より若く、僕が一人暮らしを始めてから時々現れては、世間話をして帰っていきます。
彼女と別れたときの話をしたら、「僕も最近別れたんっすよ!」と妙な共感が生まれ、新聞取ってもないのにトイレットペーパーとか粗品を大量にくれて帰っていきました。
勧誘に来たとき以外でも、商店街等で見かけるとにこやかにあいさつを交わします。
面白いのでそのうち飲みにでも誘ってみようかと思います。
新聞と言えば、先日実家に帰ったときに部屋の整理をしていたら、中学校のときにみんなで作っていた学級新聞の原稿が出てきて、とても懐かしい気持ちになりました。
当時は身の回りの出来事や、各種学校行事について一生懸命まとめ、手書きでコツコツと原稿を埋めていくという作業をおこなっていました。
僕の中学校の学級新聞は、班単位で作っていました。
そして僕の班には、H君という少し変わった男の子がいました。
H君は自分の家では普通にしゃべるそうなのですが、学校では一切口を開かない子として有名でした。
たぶん精神的に弱い部分があったからなんでしょうけど、授業中も、歌のコンクールのときも、まったく声を出さないのです。
先生方もその辺は心得ていて、H君に対しては声を出さなくて済むような扱いをしていました。
そのH君が、半分以上完成していた僕らの班の新聞の原稿をなくしてしまったことがありました。
当時、妙に正義感の強かった僕は、
どこでなくしたのか?落としたのか?家に置いてある可能性はあるのか?
彼を問い詰めました。
原稿がなければ、僕だけでなく、他の班員たちにも多大な迷惑がかかるからです。
しかし声を出せない彼は、ただ首を横にふるばかりでした。
放課後になり、彼は歯医者に行かなくてはいけないらしく、筆談で「帰る」と主張してきましたが、僕は彼を許しませんでした。
人間なのだからうっかり物をなくしてしまったりすることもあるでしょう。
でも他人に迷惑をかけている以上、ただ「帰る」だけではなく、せめてそれなりの誠意を見せて欲しかったのです。
友人としても。
僕は彼を教室のベランダに締め出し、「ちゃんと答えるまでは帰さん」と断固たる態度を示し、ついに彼を泣かしてしまいました。
結果的には、その新聞の原稿はどうやら僕が持っていたらしく、自宅に帰ってから自分のカバンから出てきたときは腰が抜けるかと思いました。
本当に彼には悪いことをしたと思っています。
カスですね僕。
そんな罪悪感のイメージがつきまとう新聞ですが、もし販売員の彼が辞めずにあと5年くらい通い続けてくれたら新聞を取ろうと思います。
ウソです。たぶん取りません。
PR